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2007年03月24日

不連続素人小説【紫煙の窓】第02話

 このビルの2階から9階までは各フロアだいたい同じ造りになっている。1階は大通りに面したところが出入り口になっており大手金融機関が店舗を構えているが、2階から上のテナントの出入り口は脇道に面したところにある。2階から上、又は地下に行く場合にはすべてこの脇道の出入り口を使うことになる。
 最近の中小オフィスビルの入退出管理は多くの場合“機械任せ”になっている場合が多いが、ここは昔ながらの警備員さん常駐型受付になっている。

私:「おはようございますぅ〜」
警備員:「(敬礼しながら)おはようございます。Mさん今日は泊まりですか?」
私:「(決意に満ちた表情で)いや。今日はゼッタイに帰ります・・・」

なんて朝の受付での会話も、それほど大きくないオフィスビルならではのものかも知れない。
地上2階以上の各フロアはエレベーターホール、平均5〜6社のテナント、共同トイレ、共同給湯室の構成になっていて、エレベーターホールを挟んでそれらテナントエリアの反対側の廊下に喫煙コーナーが設けられている。
喫煙コーナーといっても廊下にスタンド式の灰皿が一つ設置されているだけで、特に隔離されている訳でもなく換気扇もない。但し換気状況は極めて良好。それにはこのビルなりの理由があるのだが、これは後に説明しよう。

まあ何れにしても当時“ヘビー”かどうかは分からないがスモーカーだった私は、当然にして移転初日からその喫煙コーナーにお世話になった。私のいる7階の灰皿をみると2〜3種類の吸い殻しか見受けられず、その頃から喫煙者が減ってきているのは感じられた。特に日中は私も含め外出していることが多いのか、他の人とそこで顔を合わせることはほとんど無かった。
移転初日、夜7時を過ぎ窓の外もすっかり夜景に替わった頃、私が喫煙コーナーに向かうと初めてそこに“先客”がいた。

《※この物語はフィクションです》

イプシロン
posted by イプシロン at 02:40 | 不連続素人小説 | 更新情報をチェックする